行政処分を経験した社長

行政処分を経験した社長
貨物自動車運送事業における行政処分件数は勧告警告を含めると令和2年から6年の平均で784件。

毎年約784名の運送業社長が行政処分を経験していることになります。
突発的な事故によることが処分の原因ということも多いと思いますが、行政処分に相当する状態があることが分かっていながら、会社運営をしていた方も多いのではないでしょうか。
分かっていながら改善をせずに運営を続けている社長、適正化について関心が薄く、理解も十分ではない社長。
運送会社では、このような社長がずいぶんと多いように感じます。本来、社長業にふさわしくはないにもかかわらず成り行きで社長になってしまった方々といっても過言ではないと思います。
中には処分を受けても形だけの改善報告でやりすごし、本質的改善に取り組みをせずに平然として運営、そして繰り返し処分を受ける方もいます。
そのような社長の多くは労働条件についてもいい加減で、働く社員の就業環境にも悪影響を及ぼしているのではと推測します。
「こうした方が社長の会社」併せて「赤字経営で安売り競争をしている」ときはゾンビ企業として淘汰されるべきとしているのが業界の方針になっています。
運行や人事の適正化に関心が薄く、取り組みが甘かったために、行政処分という現実を受け止めざるをえなかった社長方の中には、処分を機会に適正化に対する努力を始める方も多いのではないでしょうか。
学びと実践により、現実的にできるところから改善をしていき、運行面、労務面ともに洗練された会社にしていく努力をする社長に変化していく。そのようなとき、行政処分という経験が将来の発展に活かされていくことになります。
行政処分
この状況からゾンビ企業として淘汰されていくか、この状況から洗練された会社に飛躍していくか。
その違いは、反省の違いによるものと思います。
行政処分から時間が経った時、社長がこのときのことをどう語るか。それによって反省の違いを知ることができます。そして、その会社の今と将来を想像することができます。
行政処分
これが終わりではなく、始まりになる。
審判を受けたあと、努力と能力によって再挑戦する機会が持てる。
それが、私たちの国の法律です。
失敗からの再生、その過程において
経験した人だけが知り得ることや成し得ることもあることでしょう。
行政処分を経験した社長による後の努力と、それを見守ることができる社会は、私たちのより良い未来を創造していくことに繋ると信じています。



