法定12項目研修動画をカスタマイズ

法定12項目研修動画をカスタマイズ
法定12項目研修いよいよ終盤です
2026年に入り年間教育を「年度」の計画で行っている事業所では、法定12項目研修が終盤に入ってきています。
毎月1項目ずつ行っている事業所では、今月はⅩの項目(交通事故に関わる運転者の生理的及び心理的要因とこれらへの対処方法)を実施していると思います。
一般貨物運送事業社内教育アカデミーISAで研修を行っている、ある事業所では、独自研修や特別研修の月を、それぞれ1回とりながら、法定12項目の複数実施月を設けることで、今月はⅩの実施となりました。
以前は研修内容が半分だけだった
この事業所では、以前、上場大手の研修教育会社の研修プログラムを採用。
全ドライバーを約20グループに分け、講師兼アドバイザーが専門スタッフとしてつき、各グループ毎月約20分の12項目研修とディスカッション時間を設けた企画を実施していました。
〇費用が高額であった
〇研修実施記録の資料作成が事業所の担当者に依存していた
〇せっかく行っていた安全に関するディスカッションがGマーク資料に結びついていなかった
大手ではありますが実際に運送会社での実務経験がないため、現場とのアンマッチがどうしても生じてしまうことは致し方ありません。
上記の理由で研修のあり方を見直すため、大手研修会社との契約を解除した経緯があります。
また研修契約を解除したあとでわかったことですが、12項目内の実施内容が、研修時間の関係で国土交通省マニュアルにある内容の半分のみ実施でした。
法定12項目の実施記録は「適正化巡回」のときに巡回員によって検証されますが、具体的研修内容までは確認することは、まずありません。しかし、なにかしらの問題があったときの監査では、研修内容を精査する可能性は高く「指導不足」として判断される可能性があります。
※詳細は2025年7月4日のブログ記事を参照してください。
研修のやり方を見直して動画で実施
前述の事業所では、大手研修会社との契約を解除してから、混乱が無いように、しばらくの間いままでの実施方法を継続、事情により研修を受けられなかったドライバーの補講については、以前は事業所社員の実施に依存していましたが、研修時の様子を動画にすることで、動画による補講をするようにしました。
しかし補講用の動画を作成するために時間を随分と使います。そして作られた動画は数名、時には1名だけが使用するということもあり「作成時間がもったいない」状況でした。
ならばいっそ、最初に動画を作ってしまい、全員、動画で研修したほうがよいと考えました。
そして研修のときに専属していた講師は、研修中「帳票作成の実務作業」をする時間にあてると非常に効率が良いということになりました。
ドライバーの動きに合わせた動画研修
この事業所では毎月の研修にあてられる時間は約20分。以前の大手研修会社で行ってきた流れで、毎月20分ほどの時間をグループ別にとっていましたので、20分であれば、いままで通りの流れで、毎月の研修を継続していくことができます。
2024年4月からの、労働時間短縮の課題から、ドライバーの中には、さらに短縮したいという希望がでてきたことは明らかでした。
そこで、さらに5分短縮して「15分」をめどにした動画を制作することにしました。直近では、試問にあたる理解度テストの取組み時間を含めて15分以内を目標にした内容にしています。それでいて「絶対に内容不足にしない」を遵守。
15分以内動画を連続再生、免許証の更新時に受講する動画のように、見たところから見たところのグルグル巻きにすることで、ドライバー個々が自分に合わせた時間で受講ができます。
そのことで以前のグループ別による時間割にともなう待ち時間「時間調整ロスタイム」をなくしました。
事業所に合わせて研修動画をカスタマイズ
一般貨物運送事業社内教育アカデミーISAでは、国土交通省マニュアルにある内容を網羅した動画を制作してYouTube等で公開しています。法定12項目Ⅹの動画では28分32秒の動画です。
この事業所では20分以内で研修が完結したいのでこの28分32秒の動画をカスタマイズします。
省略できる部分は紹介のみにする
絶対に【研修内容不足】にならないように法定12項目Ⅹ内容を精査して省略可能部分をさがします。
まず同じ内容を繰り返している部分を見直します、次に2025年度内に実施した研修と重なる内容を確認します。
この事業所では、独自研修(Gマーク対応)として、飲酒運転についての研修を実施しています。またⅠの項目でも取り上げていますので、Ⅹでは紹介にとどめました。
今回、特に押さえておきたいとしたところは「薬の服用」についてと「整理整頓」のところです。
事業所の管理者と打合せして重点箇所を確実に押さえるようにしていきます。
試問は学習プリントとして使用する
試問にあたる理解度確認プリントについて、以前は動画視聴のあとに点呼場で取組みしていましたが、その時間も動画内に入れ「ドライバーの活動時間を実質的に短縮」を考慮するようにしました。
理解度確認プリントは、テストでなく【動画内で省略している部分を補完する】【今回の注目部分を再確認する】という目的で使うようにします。
ドライバーもテストはあまり好きではありません。そして〇×にこだわるあまり「あっていればいい」という感覚になってしまいます。
目的を変えることで「理解度確認プリントが楽しい学びになる」ようにしました。
よくある、空欄に自分の意見を文章で書くスペースは無くしました。ここがあると記録として充実するように思います。自分の考えを思考して文章にして表すことは有効なことは確かです。
しかしドライバーにかかる心理的負荷と記入しているときの実態をみていると、実際の効果はどうなのか疑問になります。これは学習塾運営で【絶対合格のためのカリキュラム作り】について18年間取組みしてきた経験から出た考えです。

研修は形だけでなく結果が出るものにしていく必要あります。そのために実施者のエゴがドライバーにとって必要のない負荷であれば排除していくことが必要です。これは絶対合格が求められる学習塾の講習だけでなく、絶対安全が求められる運送会社の研修でも同じです。
動画の構成や雰囲気は事業所に合わせる
作成した動画を視聴しているドライバー方の様子を見ながら、動画全体の雰囲気を「時間短縮しながらもわかりやすくする」、研修による負荷軽減になるようできるだけ「楽しめるようにする」ことを意識します。
この事業所では、昨年より現在の動画講習を続けてきました。そして、この形態になれて、毎月の研修に確実に参加し、動画講習を受講していく流れが定着しています。中には毎回の動画内容を楽しみにしているドライバーも多くなってきました。
そうしたことで、今回は、前回以上に「くだけたところ」を作っています。理解度確認プリントも「その時間にやらなくてもいい」くらいの作りにしています。実施後に一人ひとりに評価を聞いて次の動画作りに活かしていきます。
そして時間は15分以内の14分45秒
参考として、この動画を、架空の運送会社「〇〇運送本社営業所」として、他、少々加工したものを作りました。YouTubeで公開している28分32秒動画を加工したものです。
今回は時間短縮動画制作でしたが、詳細を加えたより長い動画やくだけた部分を硬い表現にした動画にすることもできます。
こうした事業所に合わせてカスタマイズした法定12項目動画に関心がある事業所の方がいらっしゃいましたら、お気軽にお声かけください。


