点呼の常識

点呼をやっていない運送会社が点呼をはじめると喧嘩も始まる
勤務していた営業所で点呼を始めたのは1990年くらいだったと思います。
衛生管理者試験や運行管理者試験での学びを通して自分たちの日々の状況は非常にまずいと感じました。
上司に「かなりやばいと思います」と具申。
「気がついたものにしかできない」ということで、「じゃあお前やれ」ということでした。
とりあえず個別点呼なるものを始めようと思い、次の日から「出発前に免許証を持って事務所に来るように」と指示を出したのが始まりです。
それですぐに起きたのが喧嘩です。
「なんでメチャクチャ忙しい時間にイチイチお前の所に行って免許証を見せなかんのだ」
確かにそうです、出発前の時間はどこの運送会社もメチャ忙しい。すこしでも早く出発したい。全力ダッシュで仕事をしている時間です。
そのときの経験から、点呼をやっていない運送会社が点呼をはじめると喧嘩も始まる。
そういうイメージを持っています。
それで喧嘩がおきずに、確かな点呼体制をつくるにはどうしたらよいかということも考えるようになり、いまではそれが、営業所の状況に合わせて実行できるようになりました。
そこで
運行開始前の点呼で免許証の確認をする
「あたりまえだろうが」と言われるかもしれませんね。
運行開始前にドライバーが点呼場に免許証を持参して点呼者がそれを確認する。
常識のようですがなぜでしょう
もちろん安全につながるためのルールですが、「法律で決まっているから」という答えであれば「不正解」になるかもしれません。
運行前の免許証確認必須は嘘?
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貨物自動車運送事業輸送安全規則第七条1項
(点呼等)
第七条 貨物自動車運送事業者は、事業用自動車の運行の業務に従事しようとする運転者等に対して対面により、又は対面による点呼と同等の効果を有するものとして国土交通大臣が定める方法(運行上やむを得ない場合は電話その他の方法。次項において同じ。)により点呼を行い、次の各号に掲げる事項について報告を求め、及び確認を行い、並びに事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な指示を与えなければならない。
一 運転者に対しては、酒気帯びの有無
二 運転者に対しては、疾病、疲労、睡眠不足その他の理由により安全な運転をすることができないおそれの有無
三 道路運送車両法第四十七条の二第一項及び第二項の規定による点検の実施又はその確認
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「貨物自動車運送事業輸送安全規則」に免許証確認について明言はない、「貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用」についてにも書かれていない、
点呼時の点呼者による運転免許証の確認は、法令上の明文義務ではない
と解釈できます。
でもしかし
運行前に運転免許証の確認が必要になる根拠はあります。
それは運行管理規定です
貨物自動車運送事業輸送安全規則第二十一条にある運行管理規定です。
そのひな形となることが多い国土交通省の運行管理規定では
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第3節 点呼及び乗務員への指示
(乗務前点呼)
第 21 条 運行管理者又は運行管理責任者は、乗務前の乗務員について乗務前点
呼を行い、次の各号について報告を求める等により確認するとともに、必
要に応じ指示を与えなければならない。
(1) 安全な運転が可能かどうか乗務員の心身の状況の確認
(2) 自動車点検基準に基づく運行前点検の確実な履行及び異常の有無等の
点検結果
(3) 運転免許証の所持及び有効期限の確認
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ここに根拠があります。
自分の営業所の運行管理規定にこの文言がある限りは、免許証の確認をしないと貨物自動車運送事業輸送安全規則を守っていないことにつながります。
ということなのでこの文言を入れなければ、点呼者による確認は必須ではなくなるということです。
でも、運行管理者試験にあったよね?
そこで過去問を確認
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【過去問】
運行管理規程に乗務前の点呼における実施事項として、自動車運転免許証の提示及び確認について明記した。運行管理者は、その後、乗務前の点呼の際の自動車運転免許証の確認は・・・・
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さすがです。
それで、ドライバーとして選任するときに、きちんと資格を持っている人かどうか確認して資格が保持されているか管理しなければなりません。
そのとき、それが確実になされていると言い切れる仕組みをあれこれ考えたとき、「点呼時に点呼者が確認している」
これが、一番シンプルな答えになるわけです。
・免許証写し保管
・有効期限管理
・更新確認
・年1回運転記録証明
・就業規則による携帯義務
・アルコールチェック機器による読取り
これらをワンセットにして「やっています」というよりも、「運行開始前の点呼の時に確認しています」が一番シンプルでわかりやすいになる。
なので、「免許証を点呼時に確認するよ」というのを運行管理規定にして「だから出発する前に免許証持って見せに来て」とするのが、賢い方法なので常識となっているのだろうと思います。

現在、営業所にある「運行管理規定」では、点呼に関する項目がどうなっているのか、もう一度確認してみてはどうでしょうか。
※注意
「えっ!こんなこともすることになってた」
というのを発見してしまうかもしれません。


