カリキュラム1366

カリキュラム

事故報告が必要な重大事故が1カ月に3件、そうした状況を短期間で改善していく取組みの一つにカリキュラムがありました。

カリキュラムは、間違いなく、大きな力を持っていることを知りました。それは学校教育という、国内最高峰のカリキュラムがあることに気がつくことになり退職後の職業選択が学習塾開業になります。

車の運転を生業としている私たちの多くが経験し絶対役立ったカリキュラム。

それは、自動車教習所のカリキュラム。

普段、車の運転は、慣れた行動かもしれないけれど、その行動は複雑であり、私たちでさえ大きな事故を起こしてしまう可能性がある高度な行為です。

自動車教習所のすごいところは、まったく運転をしたことが無い人に、その高度な行為を教えるというところ。

ふと「どうやって彼らは、それを教えているのだろうか」と思いました。なので、教習所に通うことにしました。

そこで、掴んだのは「カリキュラム」という仕組みと考え方。

それを、営業所で行う新入社員教育に思いっきり組み入れて、独自のカリキュラムにして、現場に合うレベルに突き詰めていきました。自分の経験から絶対納得できる、現場で通用するスキルの最低限が体得できるようにすることができるカリキュラムにしていったのです。

学習塾でいえば、絶対点がとれるカリキュラム。特別なテスト対策をしなくても、いつでも点がとれる実力を育成するカリキュラム。

このことが、一か月で3件重大事故を発生する環境から、1年間人身事故ゼロを実現する環境形成の一つになったことは間違いありません。

学校教育には「教科書」という、ひとつのカテゴリーを習熟するための素材があります。

それは学校教育のカリキュラムを構成するために使われている素材です。

国から「指導要領」という基準が示され、そこにある目標を貫徹するための教科書がいくつかの業者でつくられ、さらに教科書にある知識をより理解できるように、より高度な知識にできるように、学ぶ者のレベルや目的にあったテキストが数多くの民間でつくられていきます。

それが最高峰の教育システム構築に大きな役割を果たしているのは間違いありません。

運送会社には、今、「運転者に対して行う指導及び監督の指針」として法定12項目という、基準が作られています。(平成13年8月20日 国土交通省告示第1366号)

取り組み方の改善が加えられ、現在のドライバー教育カリキュラムの中で重要な役割を果たそうとしているのです。

今、経営者がドライバー教育に関心を持った時、「挨拶」「靴の揃え方」「服装、身だしなみ」教育や「精神論」というところにいく可能性が高いように見えます。そして多くの場合は、失敗し、中には大きな痛手を負っているのではないでしょうか。

そこよりも、是非、「法定12項目」という素材に着目して欲しいと思います。

私たちが変化するのは「説教」よりも「早川光のヘルメット」走っている者がやること。「法定12項目」を作った人が持ったであろう夢を私たちが実践して実現することだと思います。